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ERPとは? 基本的な意味を解説!導入の目的を見極めよう

企業経営の基本となる4つの資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に分配、そして有効活用したのがERPであり、今や企業の情報戦略に欠かせないものです。
自社でを導入しているが、実はERPが何であるか説明できずに使っているビジネスユーザーの方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回はERPを正しく理解するために、ERPの概要から導入メリットまで解説します。

目次

ERPとは

最初にERPとは何か、定義の確認から始めましょう。

ERPの意味

ERP(Enterprise Resource Planning)とは、ヒト・モノ・カネ・情報という企業の4大経営資源を適切に分配し、有効活用する計画や考え方のことです。
読み方としては、「イーアールピー」と呼ぶのが一般的となっています。ERPパッケージ製品のこともERPと呼ばれます。

ERPの起源については、70年代に米国の製造業において普及した生産管理手法であるMRP(Material Requirements Planning)があり、それが80年代に入ってMRP II(エムアールピー ツー、Manufacturing Resource Planningの略)に発展。そしてMRP IIに会計や人事などの業務管理機能が追加されて、今日のERPになったという説が一般的です。

ERP生みの親であるSAP社が日本法人を設立した1992年以降は、日本でもERPが知られてきました。
業務ごとにスクラッチ開発したレガシーシステムと異なり、ERPでは業務の情報が一元管理できます。

矢野経済研究所が2022年発表した「ERP市場動向に関する調査を実施」によれば、2021年時点での日本におけるERPの市場規模は1,278億円と前年対比2桁成長、2022年では1,345億円に達する予想です。
海外製品が主流だったERPですが、現在は国産ERPも多く利用されています。
クラウド全盛期の今はオンプレミス型より、クラウド型ERPの導入率が高くなりました。

ERPでは以下5つの構成要素がメインとなります。

  • 財務会計/管理会計
  • 販売管理
  • 購買管理/在庫管理
  • 生産計画/管理
  • 人事管理

これらはほぼ全ての企業で共通して利用され、企業の運営に不可欠なものといえます。

ERP導入前の準備

ERP導入には目的の明確化が非常に重要となります。ERPは他オフィスツールとは異なり、多数の部署・業務横断的に影響を及ぼし、単純にシステムを導入しただけでは狙った効果を得ることが難しいためになります。
まず、自社製品やサービス、事業目標、ITインフラなどを鑑みた上で、自社における課題を明確化します。
経営判断の迅速化や、業務の最適化、データ有効活用、コスト削減など導入目的が定まっていれば、ERPで得られることは多いはずです。

ERP導入を決定した次のステップは、ERPで管理する業務領域(スコープ)を決め、自社に最適な製品の選定、システム導入となります。

ERP導入のメリット、デメリット

次にERP導入のメリット、デメリットについて整理してみましょう。

導入のメリットは、大きく次の3つが考えられます。

企業データの一元化
業務の標準化、効率化
法律改正や制度変更に迅速対応

それぞれのメリットを詳しくみていきましょう。

企業データの一元化

各業務で発生したデータが、ERP利用によりリアルタイムで集約され、一元化されます。誰もが一元管理の同じデータを使うので、集計された数字が部門毎に違うといったことがなくなります。
またデータを可視化し、そのデータを基にしたマネジメントの意思決定が迅速にできるようにもなります。

業務の標準化、効率化

データ共有により、これまで発生していた多重入力や修正作業等の「ムリ・ムダ・ムラ」が削減でき、る生産性が向上します。
また、ERPを利用した業務運営がルールとなることで標準化を図ることができます。

法制度改正、変更に迅速対応

自社開発など、これまでのレガシーシステムでは、法改正の都度自力で各システムの改修を余儀なくされましたが、ERPであればERPパッケージベンダー側で最新の法制度に対応するため、自社で個別修正する必要がなくなります。

ERPは企業に多くのメリットをもたらしますが、残念ながらデメリットもあります。
前述のメリットとデメリットを総合的に判断し、自社への導入を検討することが大切です。
ERP導入の代表的なデメリットとしては次の3つです。

自社開発以上にコストがかかることがある
痒いところに手が届かない場合がある

それぞれのデメリットを詳しくみていきましょう。

痒いところに手が届かない場合がある

ERPは既成のパッケージ製品ですので、本来のメリットを引き出すためには、基本的にはERPが用意するテンプレートに企業の業務プロセスを合わせる必要があります。
自社開発のレガシーシステムのように欲しい機能を必要に応じて開発し、足していくことができないわけではありませんが、それをERPでやってしまうとERP本来のメリットが得られないのです。業務システムに関する、考え方の切り替えとある程度の割り切りが求められます。

自社開発以上にコストがかかることがある

ERPパッケージは、自社開発に比べて短納期で低コスト、と一般的に言われます。
しかしながら、前述のように個別開発を重ねてしまうと、結局自社開発と同じ、またはそれ以上にコストを要するケースも発生します。
自社にとって本当に何が必要なのかを見極めて導入する必要があります。

データ入力負担が発生することがある

ERPでは、前述のように導入により2重入力の解消などが実現し、業務効率化に寄与する部分があります。
一方で、経営からの要望を受けて管理項目を次々と追加してしまうなど、全てをERPに期待し複雑化させてしまうことで、結果的には現場入力作業が増大し、思ったメリットが得られないといった状況も発生します。

まとめ : ERP導入で業務を効率化させるには

ERPの導入にはメリット・デメリットがあり、総合的に判断し「何を目的に導入するのか?」を見極める必要があります。
ERPの導入によって得られる主なメリットは以下のとおりです。

企業データの一元化
業務の標準化、効率化
法律改正や制度変更に迅速対応

企業全体にとって大きなメリットがある一方、以下のデメリットも持ち合わせています。

痒いところに手が届かない場合がある
自社開発以上にコストがかかることがある
データ入力負担が発生することがある

これまでのERPは大企業向けの製品が多く、導入ハードルは高いものがありました。
現在は、安価でありながら中堅中小企業においてもメリットのある製品が出てきています。

クラウドERPの代表的な製品である「NetSuite」であれば、217カ国以上の国で利用されており、業務標準化や効率化、法改正対応などを実現できます。
こういったERPを活用し、自社の課題を解決し、さらなる成長の足掛かりにしていきましょう。

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